【クラウドPBX】フリーダイヤルを最大活用!仕組み・メリット・注意点
クラウドPBXでは、0120や0800のフリーダイヤルを問題なく利用できます。
新規の電話番号の取得も、現在の電話番号をそのまま使うことも可能です。
それだけでなく、リモートワーク中の社員が自宅でフリーダイヤルへの着信を受けるなど、従来のビジネスフォンよりも効率的な電話環境を整えられます。
そこで今回は、クラウドPBXにおけるフリーダイヤルサービスの基本を解説。
仕組みからメリット、注意点、対応するおすすめサービスまで一挙ご紹介します。
「フリーダイヤルを使っている、これから使いたい」「電話業務の効率化とコスト削減を目指している」そんな企業さまは最後まで必見です。
この記事のもくじ
この記事の監修者
この記事の監修者 登 雄三
(のぼり ゆうぞう)
保有資格:
工事担任者(AI・DD総合種)
/電気工事士
2010年設立「株式会社デジコンnet」の代表取締役。本社を構える神戸を中心に、全国でビジネスフォン・複合機・防犯カメラなどの機器販売や、電話・電気・LAN工事、VPN構築を手掛ける。
2010年設立「株式会社デジコンnet」の代表取締役。本社を構える神戸を中心に、全国でビジネスフォン・複合機・防犯カメラなどの機器販売や、電話・電気・LAN工事、VPN構築を手掛ける。
クラウドPBXでもフリーダイヤルは利用可能!
電話機だけではなく、スマホなどのさまざまな端末で場所を問わず会社電話の応対ができる、全く新しい電話システム「クラウドPBX」。
クラウドPBXではフリーダイヤルを利用できるだけでなく、利用することで企業にとってもさまざまなメリットが得られます。
同様のサービスは他社でも展開しており、KDDIの「フリーコールDX」、ソフトバンクの「フリーコールスーパー」などが有名です。
ただし「フリーダイヤル」がもっともなじみ深い名称であるため、この記事では「フリーダイヤル」の表記で解説を続けます。
それではクラウドPBXとフリーダイヤルの関係性を、詳しく見ていきましょう。
フリーダイヤルの基礎知識
フリーダイヤルは、電話をかける側ではなく、電話を受ける側が通話料を負担するサービスです。
企業が代表番号としてフリーダイヤルを利用する場合、顧客からかかってくる電話の料金を払うのは企業です。
またフリーダイヤルには、以下の2種類の番号があります。
- 0120番号
- 0800番号
「0120」のほうがフリーダイヤルとして有名ですが、割り当て可能な「0120番号」が枯渇したため、1999年からは「0800番号」も使われています。
また企業にとって、フリーダイヤルを使うと以下のようなメリットを得られます。
- 通話料金をかけずに電話できるため、顧客の企業イメージがよくなる
- 気軽に商品やサービスについて問い合わせしてもらえる
- 前半の4桁の番号が固定なので番号を覚えてもらいやすい
- 住所制限がある市外局番とは異なり日本全国で利用できる
そのため企業としては、通話料を負担してでも、フリーダイヤルを利用する価値があるのです。
フリーダイヤルがスマホでも使える「クラウドPBX」とは
クラウドPBXとは、クラウド上にある主装置を使うビジネスフォンサービスです。
主装置は複数のビジネスフォンをコントロールする物理的な装置で、従来のビジネスフォンシステムではオフィスに設置して使います。
しかしクラウドPBXでは、主装置の役割を果たすクラウドサービスを利用するのが特徴です。
つまりインターネットを通して電話機能が使えるため、オフィスの外でも場所を問わず、スマホなどの端末を使って会社電話の応対ができるようになります。
クラウドPBXの仕組みやメリットは、以下の記事で詳しく解説しています。
クラウドPBXで使えるフリーダイヤル
クラウドPBXでは、以下のフリーダイヤル番号を利用できます。
- 新規に取得する電話番号
- 現在使用中の電話番号
それぞれの番号について簡潔にご紹介します。
新規に取得する電話番号
クラウドPBXでは、以下の2種類の番号を新規取得できます。
- 0120番号
- 0800番号
ただし「0120番号」は、「0800番号」と比べて発番されている番号数が多くなく、発番されている数も少なめです。
しかも0800番号の14年ほど前から使われているため、番号が枯渇しています。
中古番号の取得も可能ですが、希望の番号は取得できない可能性が高いです。
また希望番号が、キリのよい番号や語呂がよい番号など人気のものである場合、高値で取引されることもあります。
一方で0800番号はまだまだフリーダイヤルとして認知度が低いため、希望番号を新規取得できる可能性があるでしょう。
現在使用中の電話番号
クラウドPBXでは、現在使用しているフリーダイヤルを、そのまま使用することも可能です。
そもそもフリーダイヤルは、「03」や「06」などの市外局番や、「050番号」に紐づけて利用します。
「0120~」や「0800~」など見た目が異なる番号を使うため、一見独立した番号のように思えますが、実はそうではありません。
フリーダイヤルの裏には、市外局番や050番号などが存在しているのです。
簡単に言うと、フリーダイヤルは「表」の会社代表番号で、市外局番は「裏」の会社代表番号といったところでしょう(以下の図参照)。
フリーダイヤルの紐づけ先は、以前から使っている電話番号でも、新しく取得する番号でもかまいません。
従来のビジネスフォンからクラウドPBXに移行するとき、既存市外局番を引き継ぐのであれば、同じ番号に紐づけたままでOK。
新規に市外局番を取得するのであれば、その番号に紐づけ先を変えるだけです。
いずれにしても、フリーダイヤルは一回取得したら同じ番号を使い続けられます。
クラウドPBXでフリーダイヤルを利用する仕組み
クラウドPBX導入後にフリーダイヤルを利用するおおまかな仕組みは、以下のとおりです(※NTTコミュニケーションズの例)。
- お客様がフリーダイヤルに電話する
- NTTの交換器に着信する
- フリーダイヤルの紐づけ先番号に電話が転送される
- 企業が着信を受ける
ポイントは、お客様が実際に入力するフリーダイヤルの番号は、最終的に紐づけ先の別の番号へつながるということです。
クラウドPBXでフリーダイヤルを利用する6つのメリット
クラウドPBXを導入すると、フリーダイヤルをはじめ電話業務全体に大きなメリットが生まれます。
具体的には、以下のようなメリットです。
- 外出先でもフリーダイヤルの着信を受けられる
- 外出中の社員と無料で内線通話ができる
- 業務効率化に役立つオプション機能を使える
- 導入費用や通話料金が安い
- テレワーク環境を整備できる
- BCP対策としても役立つ
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
メリット①外出先でもフリーダイヤルの着信を受けられる
クラウドPBXでフリーダイヤルを利用するメリットの一つは、外出先でもフリーダイヤルの着信を受けられることです。
クラウドPBX独自の仕組みにより、単にフリーダイヤルをオフィスで使えるだけでなく、スマホを使って自宅でも出張先でも電話を受けられます。
従来のビジネスフォンでは、会社番号での発信ができるのはオフィス内のみ。
ビジネスフォンをコントロールする主装置をオフィス内に設置し、主装置と有線接続された電話機でしか利用できないからです。
しかしクラウドPBXならインターネット経由で電話機と主装置を接続するため、場所の制限が課せられません。
つまりネット環境さえあれば、スマホなどの端末を使ってどこにいてもフリーダイヤルにかかってきた電話を着信できます。
外出や出張が多い会社にとって、この仕組みは非常に便利です。
メリット②外出中の社員と無料で内線通話ができる
二つ目のメリットは外出中の社員と無料で内線通話ができることです。
従来のビジネスフォンの場合、同じオフィス内にいる社員同士でなければ内線通話ができませんでした。
しかしクラウドPBXなら、外出中や自宅にいる社員や、他の拠点で働く社員とも無料内線通話が可能です。
それにより、社員同士でわざわざ通話料のかかる「外線」で電話をかけ合う必要がないため、通話料の削減に繋がります。
さらに内線通話は、オフィス内の電話でもスマホでもPCでも可能なので、利用シーンに合わせて柔軟に端末が使える点も大きなメリットでしょう。
メリット③業務効率化に役立つオプション機能を使える
三つ目のメリットは、業務効率化に役立つオプション機能を使えることです。
外線・内線・転送などのビジネスフォンの基本機能が全て使えるだけではなく、業務効率化につながるさまざまな便利機能を利用できます。
代表的な便利機能を挙げると、着信時に自動で顧客情報や対応履歴などを表示する「CTI(顧客情報表示)」です。
CTIを活用すれば、一から顧客情報を聞く必要がなく、オペレーターの顧客対応のスピードや正確さが向上します。
特にフリーダイヤルは、顧客から電話がかかることの多い番号であるためCTIと相性抜群です。
その他にも、クラウドPBXでは以下のような機能を利用可能です。
- 通話録音
- タブレット受付
- インターネットFAX
- 名刺管理
- タブレット受付
- グループウェア
クラウドPBXの機能について、より詳しくは以下の記事をご覧ください。
メリット④導入費用や通話料金が安い
導入費用や通話料金が安いことも、クラウドPBX導入のメリットです。
導入費用の目安は、一般的にはサーバー登録やシステム設定などで1~10万円程度ですが、中にはキャンペーンで「無料」のサービスもあります。
またクラウドPBXが使える端末は、専用の電話機の他に、スマホやタブレット、PCなど。
社員個人の端末を利用する場合は、電話機購入コストがかかりません。
また、外出中の社員とオフィスにいる社員との内線通話は無料。
さらに外出中の担当者にかかってきた電話を取次ぐときは、外線転送は不要でそのまま保留転送ができるため、転送通話料がかかりません。
このようにクラウドPBXは、導入費用においても通話料金においても、低コストを実現します。
メリット⑤テレワーク環境を整備できる
テレワーク環境を整備できることもクラウドPBX導入のメリットです。
スマホ内線化により、手持ちのスマホやタブレットなどをビジネスフォンとして使えるようになると、オフィスで行う電話業務がどこにいても可能になります。
インターネット環境さえあれば、特別な設備を揃える必要はありません。
スタッフの自宅やホテルなどの場所でも、代表番号での発着信や、離れた場所で働くスタッフとの内線通話が可能です。
また「グループウェア機能」を使えば、全社員のスケジュールやプロジェクトの進捗・ToDoリスト・顧客や取引先の連絡先などの情報を共有できます。
このようにテレワークに役立つ機能が揃っているのも、クラウドPBXの特徴です。
メリット⑥BCP対策としても役立つ
さらにクラウドPBXは、BCP対策(事業継続計画)としても役立ちます。
BCP対策とは、自然災害や疫病など事業継続の脅威となる緊急事態に対して事前に対策を講じることです。
台風や地震などの災害が生じると、オフィスに出社できない場合があります。
またコロナ禍で多くの人が経験しているように、出社を控える動きが生まれることもあるでしょう。
この点クラウドPBXは、電話業務を自宅でも行えるため、出社できなくても事業が滞ることがないところが大きなメリットです。
クラウドPBXでフリーダイヤルを取得する場合の注意点
クラウドPBXでフリーダイヤルを取得する際は、以下の注意点を意識しましょう。
- 既存の代表番号が引き継げず、紐づけ先が変わる可能性もある
- 通話品質が微妙なベンダーも存在する
それぞれの点について解説します。
既存の代表番号が引き継げず、紐づけ先が変わる可能性もある
クラウドPBXを導入する際、サービスや電話番号の種類によっては、会社代表番号として現在使用している市外局番を引き継げないケースがあります。
仮に市外局番を引き継げなかった場合、企業は新たに会社代表番号を取得しなければなりません。
フリーダイヤルに関しては、既存市外局番が引き継げようが引き継げまいが、同じ番号を流用できます。
ただし先述のとおり、紐づけ先を変える必要があります。
たとえば、ある企業が「03-1111-2222」という市外局番を使っているとします。
オフィスが大阪に移ることになり、新規に「06-4444-5555」を取得。
この場合、「03-1111-2222」に紐づいていたフリーダイヤルを、新たに「06-4444-5555」へ紐づけ変更しなければなりません。
通話品質が低いベンダーも。サービス選びにも要注意
クラウドPBXでフリーダイヤルを運用していくにあたり、あわせて注意が必要なのが、通話品質が高く快適に通話できるサービスかどうかです。
提供しているベンダーによっては、音質が悪く相手の声を聞き取りづらかったり、安定せずに度々途切れてしまったりなど、品質に問題があるケースもあります。
これは、クラウドPBXがインターネットを使った電話システムであるためです。
インターネットの通信環境がよくないと、音質に乱れが生じてしまいます。
ただ基本的に、光回線および光電話を使うクラウドPBXであれば、基本的に音質は問題ありません。
光電話は音質に関して総務省のお墨付きを得ている電話サービスであり、市外局番の割当も許可されています。
しかし光回線を使わないタイプのクラウドPBXでは、環境により多少のノイズや途切れなどが発生する可能性もあります。
フリーダイヤルはカスタマーサポートで使われることが多いですが、満足度を高めるうえで通話音質は重要な要素です。
そのため、通話音質が優れているクラウドPBXベンダーを選ぶことが重要です。
【比較】フリーダイヤル対応のクラウドPBX3選
ここからは、フリーダイヤル対応のクラウドPBXとして、以下の3サービスをご紹介します。
- 『OFFICE PHONE』(株式会社ベルテクノス)
- 『ナイセンクラウド』(アイティオール株式会社)
- 『MOT/TEL』(株式会社バルテック)
各サービスについて詳しく見ていきましょう。
『OFFICE PHONE』(株式会社ベルテクノス)
『OFFICE PHONE』は、株式会社ベルテクノスが提供するクラウドPBXです。
『OFFICE PHONE』は19年の開発研究を経て運用されており、これまでに導入累計数2万社を達成したサービスです。
導入費用は無料、かつ最短即日で開通するため、気軽に運用を始められます。
さらに、無料で利用可能なオプション機能が多く提供されているのも特徴です。
導入費用(税別) | 無料 |
月額費用(税別) | 基本料金:3,400円~ ライセンス料金:98円 ※契約のアカウント数に応じて料金が変動。 |
主な機能 | 通話録音 タブレット受付 クラウド勤怠管理 インターネットFAX IVR CTI 名刺管理 グループウェア など |
『ナイセンクラウド』(アイティオール株式会社)
『ナイセンクラウド』は、アイティオール株式会社のクラウドPBXです。
10年以上の運営実績があるほか、個人事業主から東証一部上場企業まで、多数の導入実績を持ちます。
市外局番に対応するプランと、非対応のプランとがあり、どちらのプランも最短1日で開通可能です。
1人での利用から数千人の利用に至るまで、幅広いニーズに対応しています。
導入費用(税別) | 1人用ライト(1内線):1万円 小規模ペア(2内線):1万円 中規模以上プロ(5内線~):1万円 |
月額費用(税別) | 1人用ライト(1内線):2,000円 小規模ペア(2内線):5,000円 中規模以上プロ(5内線~):1万円 ※別途、IP電話・KDDI・NTT・NUROの回線から1電話番号以上の契約と月額費用がかかります。 ※5内線以上は1内線につき1,000円の加算。 ※30内線以上は無い線数に応じて割引あり。 |
主な機能 | 自動録音 IVR 電話会議 履歴確認 キューイング ページング など |
『MOT/TEL』(株式会社バルテック)
『MOT/TEL』は、株式会社バルテックが提供するクラウドPBXです。
導入実績は2万7,000社以上と豊富で、官公庁や上場企業も導入しています。
市外局番を利用するプランと、050番号を利用するプランの2タイプがあります。
導入費用(税別) | スタンダード(20内線):2万9,800円~ ミドル(50内線):3万9,800円~ プレミアムA(100内線):5万9,800円~ プレミアムB(100内線):8万9,700円~ プラチナ(200内線):14万9,500円~ ※市外局番を利用するプランでは、別途工事費やアダプタレンタル料金が発生。 |
月額費用(税別) | スタンダード(20内線):3,980円 ミドル(50内線):8,500円 プレミアムA(100内線):1万5,000円 プレミアムB(100内線):3万8,000円 プラチナ(200内線):9万5,000円 |
主な機能 | 通話録音 勤怠管理システム チャット インターネットFAX タブレット受付システム 顧客情報表示 CRM連携 音声案内 など |
まとめ
クラウドPBXでもフリーダイヤルを問題なく利用可能です。
新たに0120番号や0800番号を取得することも、既存の番号をそのまま利用することもできます。
それだけでなく、クラウドPBXでフリーダイヤルを使うことで、従来のビジネスフォンシステムにはないメリットも享受できます。
スマホ内線化によりスマホをビジネスフォン子機のように利用できるほか、低コストの通話料金やBCP対策など、魅力は多いです。
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