スマホ利用型ビジネスフォンとは?特徴・種類・活躍シーンを徹底解説
スマホ利用型のビジネスフォン(クラウドPBX)を導入すれば、スタッフの自宅や外出先など場所を問わずに外線と内線を利用できます。
しかも、電話機本体や配線工事を必要としないため、導入の手間やコストの面でも大きなメリットがあります。
ビジネスフォンの機能がスマホで使えるクラウドPBXは、テレワークをはじめとした新しい働き方に最適です。
実際、コロナ禍をきっかけにスマホ利用型ビジネスフォンの需要は急拡大しています。
本記事では、スマホ利用型ビジネスフォンのメリットや導入のポイントを改めて解説しています。
この記事のもくじ
この記事の監修者
この記事の監修者 登 雄三
(のぼり ゆうぞう)
保有資格:
工事担任者(AI・DD総合種)
/電気工事士
2010年設立「株式会社デジコンnet」の代表取締役。本社を構える神戸を中心に、全国でビジネスフォン・複合機・防犯カメラなどの機器販売や、電話・電気・LAN工事、VPN構築を手掛ける。
2010年設立「株式会社デジコンnet」の代表取締役。本社を構える神戸を中心に、全国でビジネスフォン・複合機・防犯カメラなどの機器販売や、電話・電気・LAN工事、VPN構築を手掛ける。
スマホ利用型ビジネスフォンとは?
「スマホ利用型ビジネスフォン」とは、名前のとおり、スマホをビジネスフォン子機のように活用できる電話サービスです。
スマホ利用型ビジネスフォンは、昔ながらのビジネスフォンでありがちな不便を解消してくれます。
これまでのビジネスフォンでは、オフィスに「PBX(主装置)」という内線・外線を制御する交換機を設置し、かつ卓上の電話機を使って発着信をします。
問題なのは、主装置と電話機を有線接続しなければならないため、オフィス内でしか使用できないことです。
つまり外出中の社員は、内線通話や会社番号を使った外線の発着信はできません。
オフィス内の社員と連絡を取るには、社用携帯や個人の携帯で通常の外線をかける必要があります。
また顧客や取引先に会社代表番号で外線をかけるには、オフィスに戻らなければなりません。
一方スマホ利用型ビジネスフォンを導入すると、スマホをビジネスフォンのように使うこと(スマホの内線化)が可能です。
昔ながらのビジネスフォンのように場所の制限を受けないため、以下のことが問題なくできます。
- 外出中の社員と無料で内線通話できる
- どこにいても顧客や取引先に会社代表番号で外線をかけられる
- 外出中の担当者にかかってきた外線を保留転送できる
このようにスマホ利用型ビジネスフォンでは、どこにいてもスマホをビジネスフォン代わりに使えます。
テレワークや在宅勤務など働き方の多様化が進んでいるなかで、場所の制限を受けないスマホ利用型ビジネスフォンはますます注目されています。
スマホ内線化の仕組み
スマホの内線化とは、内線・外線・転送などのビジネスフォンならでの機能をスマホでも利用できるようにする技術です。
ビジネスフォンは電話線に接続して利用しますが、スマホ内線化の場合はインターネット回線を介して利用する、という仕組みです。
具体的に、スマホの内線化を実現する方法は次の3つです。(後に詳しくご紹介します)
- IP-PBXを利用する
- クラウドPBXを利用する
- FMCサービスを利用する
それぞれの方法について1つずつ詳しくみていきましょう。
IP-PBXを利用する
「IP-PBX」は、オフィスにPBXを設置した上で、電話線ではなくIPネットワークを介して通信を行います。
インターネットと同じ仕組みで情報をやり取りするため、専用の電話機(SIPフォン)だけではなく、パソコンやスマホとも連携しやすいのが特長です。
クラウドPBXを利用する
「クラウドPBX」は、IP-PBXをクラウド上で利用できるようにしたものです。
PBXはクラウドのサーバー上にあるため、自社に設置する必要がありません。
メンテナンスなどに手間やコストがかからず、気軽に運用できるのがメリットです。
FMCサービスを利用する
「FMC」は、固定電話・携帯電話の融合を指し、携帯電話を内線化するサービスです。
通信キャリアが提供しており、固定電話と携帯電話のキャリアを統合できる点が大きな特徴です。
キャリアを1社に統一するということは、逆に言うと個人所有のスマホを仕事に使う「BYOD」には向いていない点に注意しましょう。
3タイプのうちクラウドPBXの仕組みについては、以下の記事でも詳しく解説しています。
スマホ利用型ビジネスフォンの4つの特徴
スマホ利用型ビジネスフォンには、以下のような特徴があります。
- 業務効率の向上
- コミュニケーション不足の解消
- 通信コストの削減
- 社員の満足度アップ
これらの特徴は、後述する3つのスマホ利用型ビジネスフォンタイプに共通するものです。
それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
業務効率の向上
スマホ利用型ビジネスフォンは、業務効率の向上に役立ちます。
スマホを内線化できるため、電話がかかってきた際に外出先からわざわざオフィスに戻る必要がなく、その場で会社番号で発着信できます。
顧客や取引先から外出先の担当者に電話がかかってきたときには、そのまま担当者に電話を取次ぐことも可能です。
不在の旨を伝えたり、担当者に連絡して折り返しの電話をお願いしたりする必要はありません。
このように通話業務がスムーズに行え、余計な労力や時間を軽減できます。
コミュニケーション不足の解消
スマホ利用型ビジネスフォンを導入すると、コミュニケーション不足を解消できます。
社員間同士がテレワークなどで別々の場所にいる場合、気軽に連絡を取ることができなければ、コミュニケーション不足により業務にも支障が出る可能性があります。
たとえばオフィスにいる社員がテレワーク中の社員に電話をかけたいとき、外線だと通話料が発生するため、気軽には連絡を取ることができません。
しかしスマホを内線化していれば、社員がどこにいてもすぐに無料で内線通話ができるため、テレワークや在宅勤務のスタッフと気軽にコミュニケーションを取れます。
通信コストの削減
スマホ利用型ビジネスフォンでは、以下の理由から通信コストの削減につながります。
- 無料で内線通話できる
- スマホから折り返しをせずに着信を受け取れる
電話の受発信が多い企業にとって、コストカットをするのにスマホ利用型ビジネスフォンはうってつけです。
社員の満足度アップ
スマホ利用型ビジネスフォン導入により、社員の満足度アップを期待できます。
オフィスに無料の内線通話をかけられるため、外出中や自宅から架電するときに、自分で通話料を負担する必要がありません。
またビジネス通話を、専用アプリや社用携帯などを使うことで一括請求できるため、経理に精算をしなくても自動的に通話料請求が完了します。
スマホ利用型ビジネスフォンの種類は3つ!メリット・デメリット解説
スマホ利用型ビジネスフォンには、以下の3種類が存在します。
- クラウドPBX
- IP-PBX
- FMC
これら3タイプはいずれもスマホの内線化ができる点では共通していますが、細かな仕組みやメリット・デメリットは異なります。
それぞれの詳細を解説します。
今注目の【クラウドPBX】
「クラウドPBX」とは、クラウド上にあるPBXを利用してスマホの内線化をする電話サービスです。
先述のとおり、昔ながらのビジネスフォンではオフィス内にPBX(主装置)を設置し、そこに電話機を電話回線で有線接続します。
それに対してクラウドPBXでは、オフィス内にPBXを必要とせず、クラウド上にあるPBXを利用します。
クラウド上のPBXとスマホは、Wi-FiであれLTE(モバイル回線)であれ、インターネットを介して接続可能です。
※スマホ以外にもインターネットに接続できるさまざまな端末を利用可能。
そのためオフィスの外にいても、スマホがインターネットにつながりさえすれば、ビジネスフォン子機のような使い方ができます。
なおクラウドPBXには、専用アダプターを設置するタイプと設置しないタイプの2種類があります。
両者の特徴については以下の記事で解説しています。
クラウド型電話機(クラウドPBX)とは?仕組みと利用価値を解説
メリット
クラウドPBXのメリットはさまざまですが、代表的なのは以下の2点です。
- 導入が早い
- コストが安い
クラウドPBXは、オフィス内での大がかりな設置工事や配線工事などを必要としません。
専用アダプターを設置するくらいで、設定自体は非常にスピーディーです。
※設置しないタイプのクラウドPBXもあります。
『OFFICE PHONE』のように、サービスによっては即日導入可能なほど導入が早いです。
また導入コストについてですが、PBXなど大きな設備投資をする必要がなく、社員のスマホを使えば電話機の購入も必要ありません。
そのため、新しくオフィスを開設する場合や、新たにテレワークを導入する場合などに便利です。
デメリット
クラウドPBXのデメリットは以下のとおりです。
- 電波状況によっては音質が下がる
- 固定費用がかかる
クラウドPBXではインターネットを使って通話します。
そのためインターネットの通信状況が悪いと、データのやり取りがスムーズにいかず、音質が下がるケースがあります。
またクラウドPBXの利用には、月額利用料金がかかるのが特徴です。
サービス提供者により料金体系は異なりますが、使う回線の数やオプション機能の有無などにより、数千円以上の運用コストがかかります。
オフィス内にPBX設置する昔ながらの電話システムでは月額利用料金がかかりません。
既存ビジネスフォンと連携【IP-PBX】
「IP-PBX」とは、昔ながらのビジネスフォンにスマホ内線化機能を付けたタイプです。
繰り返しになりますが、昔ながらのビジネスフォンではオフィス内にPBX(主装置)を設置し、各電話機を電話回線で接続します。
従来型スマホ利用型ビジネスフォンも、オフィス内にPBXを設置する点では同じです。
しかし各電話機とは、電話線ではなくLANケーブルで接続します。
クラウドPBXと同じく、インターネットにつながりさえすれば、どこでもスマホをビジネスフォン子機として使用可能です。
昔ながらのビジネスフォンが電話回線であるのに対し、従来型スマホ利用型ビジネスフォンはインターネット回線を使うゆえに、クラウドPBXと同じ使い方ができます。
従来型スマホ利用型ビジネスフォンとクラウドPBXの違いは、PBXがオフィス内にあるかクラウド上にあるかです。
少しややこしいため、ここまでご紹介したシステムの違いを下表にまとめました。
従来のビジネスフォン | クラウドPBX | IP-PBX | |
---|---|---|---|
使用回線 | 電話回線 | インターネット回線 | |
PBX | オフィス内 | クラウド上 | オフィス内 |
外出中社員との内線 | × | 〇 | |
外出先から会社番号による外線 | × | 〇 | |
月額利用料金 | 不要 | 必要 | 必要 |
メリット
IP-PBXのメリットには、以下のものがあります。
- すでにインターネット回線が構築されている場合は導入が楽
- 月額利用料がかからない
インターネット回線を利用して通信網を構築するため、すでにインターネット設備がある場合には導入ハードルが低めです。
またオフィス内に自前のPBXを設置するため、クラウドPBXと異なり、月額利用料はかかりません。
デメリット
IP-PBXのデメリットとしては、以下の点が挙げられます。
- 電波状況によっては音質が下がる(クラウドPBXと同様)
- 社内にPBXを設置しなくてはならないためイニシャルコストが高くなる
クラウドPBXと仕組みは似ていますが、IP-PBXではオフィス内に機器を設置します。
機器の値段はモノによりピンキリですが、クラウドPBXと比較すると高い傾向にあります。
通信関連の契約を一本化するなら【FMC】
「FMC(Fixed-Mobile Convergence)」は、固定電話と携帯電話の通信を一本化する電話システムです。
通常、固定電話と携帯電話は別々の契約・回線で利用します。
たとえば「固定回線はNTT、携帯電話はソフトバンク」という感じです。
それに対してFMCでは、固定電話と携帯電話の垣根を取り払い、固定電話回線網と携帯電話回線網を連携させます。
これにより、「docomoの法人携帯のみで発着信・転送を好きな場所で行う」など、スマホの内線化が可能です。
FMCは大手携帯キャリアも提供していて、代表的なサービスには以下のものがあります。
- docomo:オフィスリンク
- au:KDDIビジネスコールダイレクト
- SoftBank:ConnecTalk(コネクトーク)
メリット
FMCならではのメリットは、経理や総務の手続きを簡略化できることです。
固定電話や携帯電話・インターネット回線の請求や手続きを一本化できるため、事務工数を軽減できます。
「固定電話料金はNTTに支払い、携帯料金はdocomoに支払い…」など、バラバラに手続きする必要がなく、負担がやわらぎます。
デメリット
FMCのデメリットは以下の点です。
- 電話回線業者を一本化しなくてはならない(docomoだけ、など)
現在複数の携帯キャリアと契約している場合、原則的にキャリアを統一する必要があります。
ほかのキャリアの契約解除が求められるため、手間がかかるほか、契約違約金を払う恐れもあるでしょう。
スマホ利用型ビジネスフォンが活躍するシーン
スマホ型ビジネスフォンが活躍するシーンはさまざまあります。
とくに以下のシーンでの利用価値が高いです。
- テレワークスタッフと気軽にコミュニケーションをとりたいときに!
- 外出中の社員に電話をつなぎたいときに!
- リアルタイムでの電話応答が求められるときに!
それぞれのシーンについて詳しく解説します。
テレワークスタッフと気軽にコミュニケーションをとりたいときに!
スマホ利用型ビジネスフォンは、テレワークでの利便性が高い電話システムです。
自宅であれカフェであれ、どこにいる社員とも内線通話ができます。
オフィスにいる社員や外出中の社員は、通話料を気にせずテレワークスタッフに電話をかけられるため、円滑なコミュニケーションが可能です。
外出中の社員に電話をつなぎたいときに!
スマホ利用型ビジネスフォンは、外出中の社員に電話を転送する際にも活躍します。
外出中の社員のスマホとオフィスの電話機が内線でつながっているようなイメージで、オフィスにかかってくる外線をダイレクトに取次ぎ可能です。
取次ぎをする社員は転送手続きをするのみで、折り返し電話の処理をしなくて済みます。
電話を受ける担当者は、相手とすぐに業務について話せるため、業務を効率的に進められます。
また電話をかけた相手は、用件のある担当者とすぐに通話できるため、顧客満足度アップにもつながるでしょう。
リアルタイムでの電話応答が求められるときに!
スマホ利用型ビジネスフォンは、リアルタイムでの電話応答を可能にします。
テレワーク促進とも関係する点ですが、スマホ内線化により場所の制約なく内線通話ができるため、社員間の連絡がスピーディーに行えます。
外出や移動の多いスタッフにもすぐに連絡を取れるため、各種業務対応がスムーズに進むはずです。
スマホ利用型ビジネスフォンを検討中ならプロに無料相談しよう
ここまでご紹介したように、スマホ利用型ビジネスフォンにはいろいろな種類があり、その仕組みやサービスはさまざまです。
この記事では3種類のスマホ利用型ビジネスフォンについて解説しましたが、細かな点を見ていくと、必ずしも3種類に分けられるわけではありません。
似たようなサービスが多々あり、実際のところ境界線はあいまいです。
たとえば、FMCのサービスを展開している携帯キャリアは、サービスを拡充してクラウド技術も取り入れ始めています。
これにより、固定電話と携帯電話の一本化に必要だったPBXが必要なくなり、クラウドPBXとの差別化が不明瞭になっています。
またFMCとクラウドPBXの併用や、昔ながらのビジネスフォンとクラウドPBXの併用など、異なるサービスをかけ合わせることも可能です。
このように電話サービスをめぐる環境は刻一刻と変化しているため、すべてを把握するのは簡単ではありません。
そのため、電話コストのカットや業務効率化をスムーズに進めたい企業は、各種通信サービスに精通したプロに無料相談するのが賢明です。
まとめ
「スマホ利用型ビジネスフォン」とは、スマホをビジネスフォン子機のように活用できる電話サービスです。
スマホを内線化することで、場所の制約なくスムーズな電話の受発信ができます。
オフィスにいる社員とであれ外出中の社員とであれ、スムーズな無料内線通話ができ、社内のコミュニケーション改善にも役立ちます。
社内の電話環境をより便利なものにしたい方は、スマホ利用型ビジネスフォンの導入を検討されてはいかがでしょうか?
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