「FMC」でスマホの内線可が実現!基礎知識とサービス紹介
「FMC」という電話サービスはご存知でしょうか?
最近では何でも略語で表現されるので、あまりピンとこない方も多いことでしょう。
FMCとは簡単にいうと『固定通信と移動体通信の融合』を意味し、固定電話の通信と携帯電話を融合させた新しい電話サービスになります。
現在では、携帯大手3キャリアの『ドコモ』『au』『ソフトバンク』から、「クラウドPBX」と「FMC」を融合した通信サービスが提供され、企業を中心に広く利用されています。
ここからはFMCの概要と、携帯大手キャリアが提供しているクラウドPBXとFMCを統合したサービスの特徴をご紹介いたします。
この記事のもくじ
この記事の監修者
この記事の監修者 登 雄三
(のぼり ゆうぞう)
保有資格:
工事担任者(AI・DD総合種)
/電気工事士
2010年設立「株式会社デジコンnet」の代表取締役。本社を構える神戸を中心に、全国でビジネスフォン・複合機・防犯カメラなどの機器販売や、電話・電気・LAN工事、VPN構築を手掛ける。
2010年設立「株式会社デジコンnet」の代表取締役。本社を構える神戸を中心に、全国でビジネスフォン・複合機・防犯カメラなどの機器販売や、電話・電気・LAN工事、VPN構築を手掛ける。
FMCとは?固定電話と携帯電話の融合
FMC(Fixed-Mobile Convergence)は、『固定電話と移動通信電話の融合』を意味します。
電話やデータ通信を行う際は、固定電話や携帯電話、インターネットというように利用する通信に合わせて使い分けますよね。
その場合、それぞれ契約が必要となり、料金の支払いも別々に請求されます。
このような状態では手間がかかる上に、料金も割高になってしまうのがネックとなります。
そこで、このようなバラバラなサービスを融合する役割を果たすのがFMCになるのです。
ただしFMCには決まった定義はなく、基本的な考え方は色々なサービスを融合することにあります。
またサービスを提供する通信会社によって定義や内容が異なります。
とはいっても細かい部分での話になり、ある程度大枠では以下のような定義になります。
- 電話番号を携帯電話1台に統合する
- 料金を一本化する
- 携帯電話1台で「固定電話回線」と「携帯電話回線」の両方が利用できる
- 外出中でも自動的に携帯電話につながる
- 自動的に最善の方法で電話がけられる
基本的にFMCは、携帯電話1台で電話としての役割をすべて果たす目的で利用されるサービスです。
これにより端末をそれぞれ購入する必要がなくなり、料金の支払いが一本化されるので経理処理を簡素化できるメリットもあります。
携帯大手3キャリアのクラウドPBXとFMCの統合サービス
前項ではFMCの概要ついてご説明しました。
ここからは、実際に『ドコモ』『KDDI(au)』『ソフトバンク』が提供しているクラウドPBXとFMCを統合したサービスをご紹介していきます。
簡単な特徴の説明や、利用料金について解説していきます。
ドコモ 「オフィスリンク」
「オフィスリンク」とは社内や社外を問わず、スマホや携帯で内線通話ができるクラウドPBXです。
社内とドコモの通信エリアを、オフィスの内線エリアとして利用できるサービス。
ドコモのケータイ・スマートフォン同士はもちろん、オフィスの固定電話とも内線通話が可能になるので、料金を気にすることなく通話ができます。
本社と支店などの拠点間だけでなく、外出先にいる社員とも定額で通話できるので、社員間コミュニケーションが活性化し、業務効率の向上が期待できます。
既存のPBXが利用できるタイプの契約もできますが、ドコモが構築しているPBXを利用する「仮想PBXタイプ」もおすすめです。
外線発信オプションを利用すれば、「050番号」または「固定回線の番号」からの発信ができるので、通常の090・080番号を利用した通話料に比べて通話料が抑えられます。
初期費用 | 【携帯電話】 ・1,000円/回線 【オフィスリンク設備】 ・70,000円/拠点 ・2,000円/契約 |
月額費用 | 【携帯電話】 ・900円/回線 【オフィスリンク設備】 ・32,000円/契約 ・400円/ch ・400円/内線番号 ・5,000円~/アクセス回線 |
KDDI「KDDIビジネスコールダイレクト」
「ビジネスコールダイレクト」はKDDIが提供するFMCサービスで、社内や外出先を問わず内線番号を使って通話できます。
既存のビジネスフォンを活用することで、簡単に内線化の構築できるサービスです。
さらにauスマホ同士や社内の固定電話との内線通話だけでなく、音声通話と同じ内線番号を使用してSMSが送受信できます。
また本サービスは、携帯電話の使用台数が多い企業に向けたサービスであることが大きな特徴です。
「KDDIビジネスコールダイレクトを上手に活用すれば、業務の効率化やコスト削減だけではなく、社内コミュニケーションの活性化にもつながるでしょう。
初期費用 | ・CUG初期登録料:10,000円/グループ ・オンネット番号初期登録料:1,000円/固定事業所番号、au内線番号 ・サブネット番号初期登録料:300円/番号 ・内線SMS (au) 初期登録料:無料 ・内線SMS (Web) 初期登録料:1,000円/ユーザID |
月額費用 | ・CUG基本利用料:2,000円/グループ ・オンネット基本利用料 (au) :900円/回線 ・オンネット基本利用料 (光ダイレクト):400円/ch ・オンネット基本利用料 (IPフォン):400円/ch ・オンネット基本利用料 (Webex Calling):440円/番号 ・サブネット基本利用料:無料 |
ソフトバンク 「ConnecTalk(コネクトーク)」
「ConnecTalk」は、従来のPBX、クラウドPBXどちらを利用する場合でも、柔軟なコミュニケーション環境をワンストップで提供するサービスです。
拠点単位で導入でき、携帯電話や固定電話がそのまま利用できるので、外出先でも本社からの取り次ぎ業務が軽減できます。
携帯電話での通話はVoLTE対応なので高品質な音声通話が可能。
また「ConnecTalk」の各種設定(内線・外線、転送設定、着信規制、各種固定電話設定)などについては、Web管理画面から利用者側で設定できるので、管理面での手間も軽減できます。
利用にあたっては、利用する環境に合わせて「モバイルタイプ」と「PBXタイプ」の2つのタイプから選択でき、月額料金は以下のようになります。
基本料金 | 10,000円/契約 |
モバイルタイプ | ・900円/モバイル回線 ・外線GW接続:400円/ch |
PBXタイプ | ・500円/ID ・宅内PBX接続400円/ch |
まとめ
ここまで携帯大手3キャリアのクラウドPBXとFMCの統合サービスについて紹介してきました。
今回ご紹介したサービスはいずれも法人向けとなり、企業がこれらのサービスを利用することで固定電話と携帯電話の概念がなく、社内で円滑なやりとりができるようになります。
クラウドPBXは次世代の電話システムとして注目されていますが、そこにFMCが統合されオフィスの電話をすべて携帯電話1台に集約することができます。
利用にあたっては、ドコモ、KDDI、ソフトバンクの携帯大手3キャリアで申し込みができ、既存PBXの活用もできます。
これから事務所を開設する方は、PBXなどの機器の購入が不要になるので初期費用を大幅に削減できるようになります。
最近では通信デバイスの普及拡大に伴い、固定電話離れが続いているので、今後は「FMC」に関連するサービスが一層普及していくでしょう。