【図解】スマホ内線化とは?仕組みやメリット・デメリットを徹底解説
「スマホ内線化」とは、社用スマホや社員の個人スマホを、オフィスにある固定電話機のように使える仕組みです。
外出先でも会社番号で発着信できたり、離れた社員同士で無料で内線通話ができたりと、従来のビジネスフォンではできなかったことが可能になります。
そこで本記事では、スマホ内線化の仕組みやメリット・デメリットを初心者向けにわかりやすく解説します。
またスマホ内線化によってもたらされる通話業務の変化や、内線化を実現するサービスもご紹介するので、電話環境を見直したい方は最後まで必見です。
この記事のもくじ
この記事の監修者
この記事の監修者 登 雄三
(のぼり ゆうぞう)
保有資格:
工事担任者(AI・DD総合種)
/電気工事士
2010年設立「株式会社デジコンnet」の代表取締役。本社を構える神戸を中心に、全国でビジネスフォン・複合機・防犯カメラなどの機器販売や、電話・電気・LAN工事、VPN構築を手掛ける。
2010年設立「株式会社デジコンnet」の代表取締役。本社を構える神戸を中心に、全国でビジネスフォン・複合機・防犯カメラなどの機器販売や、電話・電気・LAN工事、VPN構築を手掛ける。
スマホの内線化とは?
「スマホ内線化」とは、従来のビジネスフォンで可能だった外線・内線・転送等の機能をスマホで利用する技術です。
従来のビジネスフォンの場合、オフィスに主装置(PBX)と専用の電話機を設置することで、内線・外線通話などの機能が利用できていました。
しかしスマホを内線化すれば、スマホがビジネスフォン代わりになり、オフィスの外でも場所を問わず会社電話の応対ができるようになります。
たとえば、スマホと据え置きのビジネスフォンとの間で内線通話をしたり、スマホから会社代表番号で外線の発着信をしたりも可能です。
つまりスマホ内線化とは、従来の電話業務が場所に縛られずに可能となる画期的な仕組みなのです。
スマホ内線化のメリットとは?電話業務の5つの変化
スマホ内線化のサービスを社内に導入すると、さまざまな恩恵を受けられます。
具体的には、電話業務の効率化とコスト削減が実現するでしょう。
では次に、スマホ内線化についてよりよく理解できるよう、具体的なメリットとして以下の5点をご紹介します。
- オフィスから外出中の社員と無料で内線通話できる
- 外出中の担当者に電話を簡単に取次ぎできる
- 外出先から会社代表番号で外線発信できる
- 固定電話機の購入・保守費用を削減できる
- CTIなど便利な機能を使える
なお注意点として、スマホ内線化を実現するサービスにはいくつか種類があり、それぞれで機能が多少異なります。
「スマホを固定電話機のように使う」という点ではおおむね同じですが、特定の通話機能に特化した種類もあるため、詳細は後ほどご確認ください。
メリット①オフィスから外出中の社員と無料で内線通話できる
スマホ内線化のメリットの一つは、オフィスから外出中の社員と無料で内線通話できることです。
従来のビジネスフォンの場合、内線通話は同じオフィス内にいる社員同士でなければ不可能。
外出中の社員に連絡を取るには、わざわざ通話料のかかる外線で発信しなければなりません。
しかしスマホを内線化すれば、離れた場所にいる社員へも外線ではなく、無料で内線通話できるようになります。
社員の場所を問わず内線通話ができることで、通話料の大幅削減が達成します。
メリット②外出中の担当者に電話を簡単に取次ぎできる
二つ目のメリットは、外出中の担当者に電話を簡単に取次ぎできることです。
従来のビジネスフォンだと、顧客から外出中の担当者への外線がかかってきたとき、電話を転送する必要がありました。
転送を利用するには月額料金がかかる上に、転送後の通話料も負担しなければならないため、コストが膨らんでしまいます。
転送せずに一旦電話を切り、担当者から折り返す方法もありますが、顧客を待たせる結果になるほか、外線通話料が発生することに。
そこでスマホを内線化すれば、オフィスにいるのと同じように電話を直接保留転送できるため、コストも手間もかかりません。
メリット③外出先から会社代表番号で外線発信できる
スマホ内線化を実現すると、外出先から会社代表番号で外線発信が可能です。
従来、会社代表番号で発信できるのはオフィス内に限られており、外出中に入電があった場合にはわざわざオフィスに戻る必要がありました。
出先で顧客に電話をかける際には、携帯電話を使うしか方法がなく、当然会社番号で発信はできません。
一方スマホを内線化すれば、スマホをビジネスフォン同様に利用できるため外出先でも会社代表番号で発信可能です。
またテレワークで在宅勤務する社員の場合は、わざわざ出社しなくても顧客に外線をかけられるため大変便利です。
メリット④固定電話機の購入・保守費用を削減できる
固定電話機の購入・保守費用を削減できるのも、スマホ内線化のメリットです。
従来のビジネスフォンでは、1台2~3万円ほどの電話機の購入が必要でした。
また電話業務が主な企業の場合、ビジネスフォンの購入や保守点検などに多くのコストがかかることでしょう。
しかしスマホを内線化すると、スマホもビジネスフォンのように使えるため、必ずしもビジネスフォンの購入は必要ありません。
社用スマホも個人のスマホも利用可能なため、固定電話機の導入・維持コストを抑えられます。
メリット⑤CTIなど便利な機能を使える
スマホ内線化の魅力として、CTIなど便利な機能を使える点も挙げられます。
従来のビジネスフォンで使える機能は、外線・内線の発着信管理や保留転送など、電話業務に特化した機能がメインです。
一方スマホ内線化サービスのなかには、従来の電話業務以外のさまざまな機能が使える場合があります。
- CTI(顧客情報表示)機能
顧客から電話がかかってきたときに顧客情報を自動表示する - インターネットFAX機能
インターネット経由でFAXの送受信を行う - グループウェア機能
社員のスケジュールやプロジェクトの進捗・業務データなどを共有する - 勤怠管理機能
オンライン上で出退勤の打刻や社員の位置情報を管理する
従来の電話業務をより便利にするさまざまな機能が使えるのも、スマホ内線化の魅力です。
スマホ内線化にデメリットはある?導入前の注意点
沢山のメリットがあるスマホ内線化ですが、少なからずデメリットもあります。
具体的には、以下のようなデメリットが存在します。
- セキュリティのリスクがある
- 公私混同が起きやすい
デメリット①セキュリティのリスクがある
スマホ内線化を導入すると、スマホの利用率が従来よりも必然的に高くなります。
そこで気になるのが、「セキュリティリスク」です。
社員個人のスマホを利用する場合は、個人情報に加え、企業の機密情報も保管されているはずです。
そういった環境で仮にウイルスへの感染やスマホの紛失・盗難などが起きてしまえば、情報漏洩の恐れがあります。
そのため、企業全体がセキュリティ対策を強化したり、社員へのセキュリティリテラシー教育を実施したりする必要があるでしょう。
デメリット②公私混同が起きやすい
また、スマホを内線化すると公私混同が起きやすいのもデメリットです。
オフィスにあるビジネスフォンでのみ対応する場合、出社しなければ、会社の代表電話番号への着信を受けることはありません。
しかしスマホでの電話業務が多くなると、プライベートの時間にも仕事の電話がかかってくるなど、公私の切り替えがしにくいでしょう。
終業後や休日に、顧客や取引先からの着信が頻繁にあるようなら、社員のストレスやオーバーワークにつながります。
このようなデメリットを克服するには、着信設定を制限する等の対策が必要です。
スマホ内線化を実現する3つのサービス|仕組みも解説
スマホ内線化を実現する代表的な方法として、以下の3つのサービスがあります。
- FMC
- IP-PBX
- クラウドPBX
各サービスの仕組みやメリット・デメリット、費用相場を解説した上で、どんな方におすすめなのかご紹介します。
シンプルな端末管理ができる「FMC」
「FMC」とは、固定電話と携帯電話の通信を一本化する電話システムです。
固定電話と携帯電話は本来、「固定回線はNTT、携帯電話はdocomo」というように別々に契約します。
しかしFMCでは、「固定電話も携帯電話もdocomo」というように、同じ通信キャリアを使って契約を一本化します。
技術的な仕組みは割愛しますが、回線契約を一つにまとめることで、スマホを固定電話機のように活用できます。
有名なFMCサービスは、以下のとおりです。
- docomo:オフィスリンク
- au:KDDIビジネスコールダイレクト
- SoftBank:ConnecTalk(コネクトーク)
メリット
FMCのメリットは、以下のとおりです。
- 固定電話や携帯電話の契約を一本化することで、手続きが楽になる
- スマホ内線化により、通話料節約や取次ぎの手間を軽減できる
固定電話と携帯電話で別々の支払い手続きをしなくて済むため、管理が楽です。
またスマホ内線化については先述のとおりで、場所に関係なく社員間の無料内線通話ができ、通話料節約になります。
オフィスにかかってきた着信を、外出先でスマホにて受けることも可能です。
デメリット
FMCのデメリットには、以下の点が挙げられます。
- 通信キャリアを一社に限定する必要がある
- 会社代表番号での外線発信ができない
FMCは通信キャリアを一本化するサービスのため、別々のキャリアと契約をしている場合、解約手続きが必要(違約金が発生する恐れも)です。
またFMCはどちらかというと社員間の内線通話に強いサービスで、外線発信には向いていません。
他のスマホ内線化サービスの場合、会社代表番号での外線発信ができますが、FMCは携帯電話番号で発信します。
つまり、相手には会社番号ではなく個人の携帯電話番号が表示されるため、顧客や取引先に番号を知られてしまうリスクがあります。
導入費用の相場
FMCの導入費用相場は以下のとおりです。
- 導入費用(設備費):7万円前後/拠点
- 登録料金:約1,000円/回線
FMCがおすすめの方
FMCは、各種契約や、支払い手続きの工数を簡略化したい方ににおすすめです。
固定電話と携帯電話の通信の垣根がなくなるため、契約や支払いの工数がシンプルになります。
具体的に言うと、「法人携帯(社用携帯)」を社員に貸与する場合に最適です。
主流のビジネスフォンサービス「IP-PBX」
「IP-PBX」とは、主装置とビジネスフォンやスマホをインターネットで接続する、現在主流のビジネスフォンシステムです。
主装置とは、複数のビジネスフォンをコントロールする物理的な装置、またはサーバーのソフトのことで、ビジネスフォンシステムの心臓部にあたります。
昔ながらのビジネスフォンでは、インターネット回線ではなく電話回線を使い、主装置とビジネスフォンとを電話線で有線接続していました。
一方IP-PBXはインターネットで接続するため、Wi-Fiやモバイル回線などでネットに接続できる「スマホ」もビジネスフォン代わりに利用可能です。
メリット
IP-PBXのメリットとしては、以下の点を挙げられます。
- 月額料金がかからない
- 社内LANが揃っている場合は導入ハードルが低い
- 内線だけでなく外線にも強い
IP-PBXは、オフィス内に主装置、あるいは主装置の機能を持つソフトをインストールしたサーバーを設置します。
自社で設備を運用するため、FMCや後述のクラウドPBXのように月額料金がかかりません(リースは除く)。
またインターネットを利用する都合上、既にオフィス内で社内LANが整備されている場合は、簡単に導入できます。
さらに、外出先から会社代表番号での発着信が可能です。
顧客や取引先に代表番号から発信すれば、携帯電話番号からの発信時よりも、信用性を感じてもらいやすいでしょう。
デメリット
IP-PBXのデメリットには、以下の点があります。
- 機器によっては導入コストが高い場合がある
- ハッキングリスクがある
IP-PBXの主装置は、安いものだと数万円で入手できますが、高機能なものであれば数百万円を超えることもあります。
対応する固定電話機を揃える場合は、1台あたり2万円前後かかるため、トータルコストが高くつく可能性が高いです。
さらに、インターネットに接続することによりハッキングされるリスクもあります。
ハッキングされると、勝手に国際電話をかけられるなど迷惑行為が起こり、高い通話料金が発生する恐れがあります。
設備は自社運用になるため、強固なセキュリティ機能を持つルーターを設置するなど、慎重な対策が必要です。
導入費用の相場
IP-PBXの導入費用相場は以下のとおりです。
IP-PBXがおすすめの方
IP-PBXがおすすめなのは、以下のケースです。
- 社内LANが整備されている企業
- 月々の運用コストを抑えたい企業
すでにインターネット環境が整っている企業は多いと思われるため、導入ハードルは低めと言えます。
また導入費用は安くありませんが、月額料金がかからない分、毎月の運用コストを低く抑えやすいでしょう。
導入コスト&スピードが秀逸「クラウドPBX」
クラウドPBXは、クラウド上にある仮想の主装置とビジネスフォンやスマホを、インターネットで接続するシステムです。
コストが低くスピーディーに導入しやすいことから、今後導入する企業が増える可能性が高いビジネスフォンシステムです。
インターネットを活用する点ではIP-PBXと同じですが、クラウドPBXはオフィス内に特別な設備を必要としません。
サービス提供者が運営するクラウド上の主装置を使うため、導入ハードルが低いです。
メリット
クラウドPBXのメリットには、以下の点があります。
- 導入費用が安くスピーディーに利用開始できる
- 自社で保守管理する必要がない
- データがクラウド保存されるため万が一の際のリスクが少ない
- 内線だけでなく外線にも強い
オフィス内に特別な設備を設置する必要がないため、導入コストを安く抑えられるほか、最短即日で導入することも可能です。
また同様の理由から、設備のメンテナンスにリソースを割く必要もなく、気軽な運用ができます。
さらにクラウド上に会社のデータが保管されるため、仮に地震や火災などでオフィスに被害があっても、データを安全に守れます。
内線と外線での発着信両方に強いのはIP-PBXと同様で、スマホ内線化のメリットを最大限に享受しやすいシステムです。
デメリット
クラウドPBXのデメリットとして挙げられるのは、以下の点です。
- 月額料金が発生する
- サービスに障害があると使えない
クラウドPBXは導入費用が安い反面、クラウド上の主装置を利用するための月額料金が発生します。
運用期間が長期間にわたる場合は、いずれIP-PBXよりもトータルコストが高くなる場合が考えられます。
またサービスの安定性は提供者に依存するため、もしもサービス側になにかしらの障害が発生すると、電話業務に支障が生じるでしょう。
サービスの安定性で定評があるベンダーを選ぶことがキーポイントです。
導入費用の相場
クラウドPBXの導入費用は以下のとおりです。
導入費はベンダーにより異なります。
キャンペーンで無料になるケースもあるなど、低コストが特徴です。
クラウドPBXがおすすめの方
クラウドPBXがおすすめなのは、以下のケースです。
- 導入が楽で低コストのスマホ内線化サービスが良い企業
- 保守点検の手間をカットしたい企業
導入のしやすさに関しては、今回ご紹介しているスマホ内線化サービスのなかで断トツと言っても過言ではありません。
まとめ
スマホ内線化とは、社用スマホや社員の個人スマホを、オフィスにある固定電話機のように使える仕組みです。
スマホを内線化すると場所を問わず会社番号で発着信できる上に、離れた社員とも内線通話が可能で、テレワークなどの自由な働き方にも最適です。
スマホ内線化を実現する方法はいくつかありますが、導入の手軽さを重視される方には、「クラウドPBX」をおすすめします。
最短即日という導入スピードの早さや初期費用の安さに加え、自社でメンテナンスをする必要がなく、気軽に利用可能です。
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